なぜ今「百日咳」が増えているの?
😷 なぜ今「百日咳」が増えているの?コロナとの意外な関係とは【2025年最新版】
「最近、子どもの咳が長引いてる…」
「風邪かと思ってたら、2週間以上も咳が止まらない!」
そんなときは、もしかするとそれ「百日咳(ひゃくにちぜき)」かもしれません。
そして今、百日咳が全国的に増加傾向にあるのをご存じですか?
実はその背景には、新型コロナウイルスの流行との意外な関係があるんです。
🦠 百日咳ってどんな病気?
百日咳は、細菌による呼吸器感染症です。名前の通り、長引く咳(100日咳)が特徴です。
主な症状:
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2週間以上続くしつこい咳
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発作のように止まらない咳
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咳のあと「ヒューッ」と音がする(吸気性笛声)
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咳き込みすぎて吐いてしまうことも
特に赤ちゃんや高齢者では重症化のリスクがあります。
📈 2025年、なぜ百日咳が増えているの?
🧬 コロナ禍で「免疫の貯金」が減っていた!?
2020〜2022年、みんながマスク・手洗い・外出自粛をしていたことで、百日咳を含む多くの感染症が一時的に減少しました。
でもその反面、体が免疫をつける機会も少なくなっていたのです。
これを医学的には「免疫の負債(Immunity Debt)」と呼びます。
つまり、「かかるはずだった感染症にかからなかった分、今になってまとめて流行している」という現象です。
🧪 コロナにかかると、免疫が弱くなるの?
一部の研究では、新型コロナにかかると一時的に免疫機能が落ちることが報告されています。
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風邪を繰り返す
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咳がなかなか治らない
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ワクチンを打っても抗体がつきにくい
こういった「免疫のリセット状態」が、百日咳の再感染を起こしやすくしている可能性があるのです。
🧪 いまは15分でわかる!百日咳の検査が進化
「百日咳かも?」と思ったら、病院で鼻の奥をぬぐうだけの検査で診断できるようになりました。
✅ リボテスト百日咳(Ribotest Pertussis)
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検査時間:約15分!
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感度・特異度ともに高い
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全国の医療機関で導入が進んでいます
早めに診断がつけば、抗菌薬(アジスロマイシンなど)で治療でき、他の人にうつすのも防げます。
💉 予防がなにより大切!
赤ちゃんには:
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生後3か月からDPTワクチン、4種混合、5種混合(定期接種)をしっかり受けましょう
大人には:
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実は免疫は10年ほどで切れるので、再感染する人も
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妊婦さんや育児中の家族には追加接種(TdapやDPT)も検討されます
赤ちゃんを守るためには、周囲の大人が免疫を持っていることが大切です。
✅ まとめ
💡 ポイント | 📌 内容 |
---|---|
百日咳が増加中 | 2025年、全国的に報告数が上昇 |
コロナと関係あり? | 免疫低下や感染機会の抑制が関係 |
簡単な検査あり | 15分で診断できる抗原検査が登場 |
ワクチンで予防できる | 赤ちゃんも大人も、接種が大事! |
🗣 おまけ
コロナの影響はもう終わったと思っていたら…
実は、他の病気にも「静かに」影響を与えていたんですね。
百日咳は昔の病気ではなく、今この時代にも私たちが気をつけるべき感染症です。
長引く咳、赤ちゃんの急な咳き込み…。そんなときは早めに医療機関で相談してみてください。
地中海の6つの植物が心臓を守る!科学が証明した“自然の力”
地中海の6つの植物が心臓を守る!科学が証明した“自然の力”
心臓の健康を守るために、毎日の食事を少し見直してみませんか?
地中海沿岸地域の人々は、古くから特定のハーブや植物を料理に多用し、長寿と心疾患の少なさで知られています。実は、これらの植物の中には、現代の科学でもその効果が実証されたものがあるのです。
今回は、心臓病の予防・改善に役立つとされる、地中海地域の6つの植物を紹介します。それぞれの働きや、実際の研究に基づいた効果もあわせて解説していきます。
1. オリーブ – 地中海食の象徴
有効成分:オレイン酸、ヒドロキシチロソール、オレウロペイン
主な作用:抗酸化、抗炎症、血管内皮の保護
オリーブオイル、特に「エクストラバージン」は、心臓の健康において最も注目されています。スペインのPREDIMED試験では、毎日高品質なオリーブオイルを摂取していた人々が、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを大きく減らしたと報告されています。
2. ニンニク – 古代からの天然降圧剤
有効成分:アリシン
主な作用:血圧低下、抗血小板作用、コレステロール改善
ニンニクは、心臓病に関する複数のリスクファクターを同時に改善する働きがあります。アリシンには、血圧を下げ、血管を柔らかく保つ作用があることが多くの臨床研究で示されています。
3. オレガノ – 小さな葉に秘めた抗酸化力
有効成分:カルバクロール、チモール
主な作用:抗酸化、抗炎症
ピザやパスタでおなじみのオレガノですが、その強力な抗酸化作用が血管の老化を防ぎます。主に試験管実験や動物研究で、LDLコレステロールの酸化を抑える働きが報告されています。
4. ローズマリー – 血管の若返りハーブ
有効成分:カルノソール、ロスマリン酸
主な作用:抗酸化、抗炎症、血管保護
ローズマリーに含まれる成分は、細胞レベルでの酸化ストレスを抑え、血管の機能を改善する可能性があります。肉料理やスープに加えるだけで、日常的に取り入れやすいのも魅力です。
5. ザクロ – 心臓を潤す赤い果実
有効成分:ポリフェノール、エラジタンニン
主な作用:血圧低下、血管内皮機能の改善
ザクロジュースには、血圧を下げたり、血管の弾力性を高める働きが報告されています。短期間の摂取でも、血管機能や炎症マーカーの改善がみられるという研究も。
6. トマト – リコピンの力で動脈を守る
有効成分:リコピン
主な作用:抗酸化、LDL酸化抑制、血流改善
トマトに含まれるリコピンは、特に加熱調理することで吸収率が上がります。疫学的研究では、トマトの摂取量が多い人ほど、心筋梗塞や動脈硬化のリスクが低いことが報告されています。
まとめ:食卓から始める心臓ケア
これら6つの植物は、いずれも地中海食において日常的に使われているものばかり。特別なサプリメントや薬に頼らなくても、普段の食事に取り入れるだけで、心臓病予防の第一歩となります。
とはいえ、重要なのは「バランス」。これらの植物を取り入れながらも、野菜・果物・魚介・オリーブオイルを中心とした全体の食事パターンを見直すことが、最も効果的な心臓病対策です。
あなたの健康は、今日の一皿から始まります。
地中海の知恵を、ぜひあなたの食卓にも取り入れてみてください。
コロナ後の「なんとなく不調」——甲状腺が関係しているかもしれません
コロナ後の「なんとなく不調」——甲状腺が関係しているかもしれません
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した後に、「なんとなく体調が優れない」「気分が不安定」「動悸や疲れが続く」といった不調を感じていませんか?
それらの症状は、甲状腺機能の一過性の異常、特にウイルス感染後に生じる甲状腺炎に伴うホルモン異常が関係している可能性があります。
甲状腺とは?
甲状腺は、首の前側に位置する小さな臓器で、代謝や自律神経機能を調整するホルモン(T3、T4)を分泌しています。これらのホルモンが過剰に分泌されると、心拍数の上昇、不安感、体重減少、発汗過多など、さまざまな症状が現れます。
なぜCOVID-19後に甲状腺に異常が起こるのか?
SARS-CoV-2(コロナウイルス)は、「ACE2受容体」を介して細胞に侵入します。甲状腺にもこの受容体が豊富に発現しているため、ウイルスによる直接的な炎症(サブアキュート甲状腺炎や無痛性甲状腺炎)が起こりうるのです。
この炎症により、一時的に甲状腺ホルモンが漏出し、甲状腺機能亢進症様の症状が出現します。ただし、ほとんどの場合、数週間から数か月で自然に回復します。
主な症状
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動悸、頻脈
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手指の振戦(ふるえ)
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発汗の増加、暑がり
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気分の不安定、不安感、イライラ
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疲労感、脱力感
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原因不明の体重減少
なお、甲状腺に痛みを伴わないタイプも多く、気づかれにくいことがあります。精神的症状が前景に立つ場合には、うつ病や不安障害と誤診される可能性もあります。
検査と診断
医療機関では以下の検査が行われます:
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TSH(甲状腺刺激ホルモン):低値
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FT3、FT4(甲状腺ホルモン):上昇
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抗TPO抗体、抗Tg抗体:多くの場合陰性(自己免疫性疾患とは異なるため)
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炎症マーカー(CRPなど):軽度上昇のことあり
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甲状腺超音波検査:低エコー域、血流の変化がみられることも
治療方針
このような一過性の甲状腺機能異常は、通常は自然に改善することが多いため、経過観察が基本です。ただし、症状が強い場合には以下のような対症療法が行われます。
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β遮断薬(例:プロプラノロール):動悸や振戦の軽減
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NSAIDsまたはステロイド:炎症が強い場合に使用
まれに、数か月後に一過性の甲状腺機能低下症へ移行することがあり、定期的な血液検査によるフォローアップが推奨されます。
心の不調と甲状腺の関係
甲状腺ホルモンは脳内神経伝達物質にも影響を及ぼすため、不安・抑うつ・無気力といった精神症状が現れることがあります。
したがって、COVID-19から回復しているにもかかわらず心身の不調が続く場合には、甲状腺機能のチェックを考慮すべきです。
まとめ
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コロナ後の「不調」は、甲状腺の一過性の炎症によるものかもしれません。
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血液検査で簡単に確認できるため、症状が続く場合は医師に相談しましょう。
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必要に応じて治療を受けつつ、経過観察によって自然回復が期待できる疾患です。
体と心、どちらも大切に
COVID-19後の体調不良は、気のせいや精神的な問題だけとは限りません。
「内科的な原因」も含めた視点での評価が、回復のカギになることがあります。
Lewy(レビー)小体型認知症(DLB)とは?
Lewy小体型認知症(DLB)とは?〜早期発見と予防のためにできること〜
こんにちは。認知症予防専門医の立場から、今回は「Lewy小体型認知症(DLB)」についてお話しします。
「DLBって聞いたことない」という方も多いかもしれませんが、アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症のひとつで、特に高齢男性に多く見られます。
この病気の特徴や、早期に気づくためのポイント、そして予防の視点から私たちにできることをお伝えします。
■ DLBとはどんな認知症?
DLBは、「レビー小体(Lewy bodies)」と呼ばれる異常なたんぱく質(α-シヌクレイン)が脳にたまることによって起こる認知症です。
物忘れだけでなく、「幻視」や「体のこわばり」、「立ちくらみ」や「夢の中で暴れる」などの多彩な症状が現れるのが特徴です。
■ DLBの早期発見ポイント
認知症は「忘れること」から始まると思われがちですが、DLBでは記憶よりも他の症状が先に出ることがあります。早期発見のために、以下の症状に注目しましょう。
✅ DLBに特徴的な初期症状
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リアルな幻視(人や動物が見える)
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注意力の波がある(日によって頭の冴え方が違う)
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レム睡眠行動障害(RBD)(寝ている間に大声を出す、手足を動かす)
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手足のこわばりや歩きにくさ
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立ちくらみ、便秘、頻尿などの自律神経症状
これらが複数みられる場合、「加齢のせい」で済ませず、早めに医療機関で相談することが大切です。
■ DLBの診断と検査
DLBは、医師の診察と問診に加えて、脳画像検査(MRIやSPECT)やDATスキャン(ドパミントランスポーターSPECT)で診断をサポートします。
DLBでは脳のドパミン神経の働きが低下しているため、DATスキャンで異常がはっきりと見えることがあります。
→ 早期発見により、薬の選択やケアの計画を早く整えることができるのです。
■ DLBは「チーム」で支える時代へ
DLBは、記憶障害だけでなく、運動・精神・睡眠・自律神経など多方面にわたる症状があるため、治療やケアもひとりの医師だけでは難しいのが現実です。
そのため、神経内科、精神科、看護師、薬剤師、リハビリ職、栄養士、ケアマネージャーなど、多職種が連携する**「チーム医療」**がとても重要です。
そして、最も大切なのは、家族と地域の理解と協力です。幻視や妄想があっても「その人らしさ」を支えることが、生活の質を大きく左右します。
■ DLBの治療と予防的ケア
DLBに対しては、症状ごとの薬物治療が行われます。ただし、薬への過敏性が高いため、医師が注意深く調整する必要があります。
主な治療の例:
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認知症症状:ドネペジルなどのコリンエステラーゼ阻害薬
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幻視・妄想:できるだけ非薬物的対応を優先
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パーキンソン症状:レボドパを慎重に使用
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睡眠障害:メラトニンや生活リズムの改善
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自律神経症状:生活習慣+必要に応じて薬物治療
■ 認知症予防の観点から私たちができること
DLBの予防には、「脳にやさしい生活習慣」が大きく関わります。DLBも他の認知症同様、生活習慣病や睡眠障害、社会的孤立が進行のリスクとなることがわかっています。
DLB予防のための実践ポイント
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🧠 定期的な有酸素運動(ウォーキング、ヨガなど)
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🥦 抗炎症性の地中海型食生活
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🛌 睡眠の質の改善(特にレム睡眠)
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🗣 人との交流・地域活動
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📚 認知刺激(読書、学び直し、ゲーム)
また、50代以降でRBD(夢で暴れる)症状がある方は、DLBの前駆期の可能性もあるため、神経内科への早めの相談をお勧めします。
■ 最後に:本人も家族も「早めに知ること」が最大の予防
DLBは複雑で、時に混乱や不安を伴う認知症ですが、**「早く気づくこと」「正しく知ること」「支え合うこと」**で、本人も家族も穏やかに暮らすことが可能です。
認知症は「なる前」よりも、「なってからどう支えるか」がとても大切な時代になっています。
DLBという疾患を正しく理解し、予防とケアを社会全体で支えるために、少しでもこの情報がお役に立てば幸いです。
COVID-19(新型コロナ)と体の老化
🧬コロナにかかると「体内年齢」が進む!?〜DNAと老化のふしぎな関係〜
こんにちは!今日は、感染症と老化の関係について、最新の研究を紹介します。
テーマは、なんと――
「COVID-19(新型コロナ)と体の老化」について。
「ウイルスに感染すると老けるの?」
そう聞くとびっくりするかもしれませんが、体の“内側”では、実際にそうした変化が起きている可能性があるんです。
🧬「本当の年齢」はDNAが教えてくれる?
私たちの体には、「カレンダーの年齢(実年齢)」と「生物学的年齢(体の機能的な年齢)」があります。
生物学的年齢は、DNAのメチル化という仕組みを使って測ることができます。これは「エピジェネティック時計」と呼ばれ、最新の老化研究で広く使われています。
🔍DNAメチル化とは:DNAに小さな化学物質(メチル基)がつくことで、遺伝子のはたらきがON・OFFされる仕組み。加齢や生活習慣、感染症などによって変化します。
🧪 どんな研究だったの?
この研究では、ハンガリーを中心とする国際チームが、54人の中高年を3年間にわたり追跡調査しました。
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調査時期:2019年(パンデミック前)〜2022年(終息期)
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評価項目:
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COVID-19の感染歴(27人が感染)
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筋力や体力(握力・ジャンプ力・VO₂ max)
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血液のDNAメチル化(850,000ヵ所を解析)
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8種類の「エピジェネティック時計」による老化評価
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📊 研究でわかったこと
✅ 感染者グループ(COVID-19を経験した人)
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GrimAgeなどの指標で「老化の加速」が確認された
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特に、加齢や死亡リスクと関連する指標で有意な差
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握力が低下(加齢の影響と一致)
✅ 非感染者グループ
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一部の人では「生物学的老化が遅くなった」との結果
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特に運動習慣があった人は、ジャンプ力が向上
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エピジェネティック時計でも「加齢が抑制された」兆候あり
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🧠 専門的にみて:なぜこうなるの?
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ウイルス感染は、免疫細胞の構成変化や慢性的な炎症を引き起こします。
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これにより、DNAメチル化のパターンが乱れ、生物学的年齢が進みやすくなると考えられています。
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一方で、適度な運動や生活習慣の改善は、加齢を遅らせる可能性があることも本研究は示唆しています。
💡 結論:感染症は「見えない老化」をもたらす可能性がある
この研究は、COVID-19という感染症が、一時的な症状だけでなく、長期的に体の老化プロセスにも影響するかもしれないことを明らかにしました。
特に、
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高齢者や基礎疾患を持つ人では影響が強く出る可能性
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若年者でも「目に見えない変化」が起きているかもしれない
という点は注目すべきです。
🧬 これからを生きる高校生へ
感染症と老化、免疫、遺伝子といった話は、これからの医療や健康科学に欠かせないテーマです。
「自分のDNAの働き方まで変えるウイルスがある」
そんな視点を持つことで、医療や科学の見方が変わるかもしれません。
興味をもった人は、「エピジェネティクス」「生物学的年齢」などをぜひ調べてみてくださいね。