COVID-19(新型コロナ)と体の老化
🧬コロナにかかると「体内年齢」が進む!?〜DNAと老化のふしぎな関係〜
こんにちは!今日は、感染症と老化の関係について、最新の研究を紹介します。
テーマは、なんと――
「COVID-19(新型コロナ)と体の老化」について。
「ウイルスに感染すると老けるの?」
そう聞くとびっくりするかもしれませんが、体の“内側”では、実際にそうした変化が起きている可能性があるんです。
🧬「本当の年齢」はDNAが教えてくれる?
私たちの体には、「カレンダーの年齢(実年齢)」と「生物学的年齢(体の機能的な年齢)」があります。
生物学的年齢は、DNAのメチル化という仕組みを使って測ることができます。これは「エピジェネティック時計」と呼ばれ、最新の老化研究で広く使われています。
🔍DNAメチル化とは:DNAに小さな化学物質(メチル基)がつくことで、遺伝子のはたらきがON・OFFされる仕組み。加齢や生活習慣、感染症などによって変化します。
🧪 どんな研究だったの?
この研究では、ハンガリーを中心とする国際チームが、54人の中高年を3年間にわたり追跡調査しました。
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調査時期:2019年(パンデミック前)〜2022年(終息期)
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評価項目:
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COVID-19の感染歴(27人が感染)
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筋力や体力(握力・ジャンプ力・VO₂ max)
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血液のDNAメチル化(850,000ヵ所を解析)
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8種類の「エピジェネティック時計」による老化評価
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📊 研究でわかったこと
✅ 感染者グループ(COVID-19を経験した人)
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GrimAgeなどの指標で「老化の加速」が確認された
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特に、加齢や死亡リスクと関連する指標で有意な差
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握力が低下(加齢の影響と一致)
✅ 非感染者グループ
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一部の人では「生物学的老化が遅くなった」との結果
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特に運動習慣があった人は、ジャンプ力が向上
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エピジェネティック時計でも「加齢が抑制された」兆候あり
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🧠 専門的にみて:なぜこうなるの?
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ウイルス感染は、免疫細胞の構成変化や慢性的な炎症を引き起こします。
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これにより、DNAメチル化のパターンが乱れ、生物学的年齢が進みやすくなると考えられています。
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一方で、適度な運動や生活習慣の改善は、加齢を遅らせる可能性があることも本研究は示唆しています。
💡 結論:感染症は「見えない老化」をもたらす可能性がある
この研究は、COVID-19という感染症が、一時的な症状だけでなく、長期的に体の老化プロセスにも影響するかもしれないことを明らかにしました。
特に、
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高齢者や基礎疾患を持つ人では影響が強く出る可能性
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若年者でも「目に見えない変化」が起きているかもしれない
という点は注目すべきです。
🧬 これからを生きる高校生へ
感染症と老化、免疫、遺伝子といった話は、これからの医療や健康科学に欠かせないテーマです。
「自分のDNAの働き方まで変えるウイルスがある」
そんな視点を持つことで、医療や科学の見方が変わるかもしれません。
興味をもった人は、「エピジェネティクス」「生物学的年齢」などをぜひ調べてみてくださいね。