🧒両ほほがまっ赤に?──「伝染性紅斑」が流行しています
🧒両ほほがまっ赤に?──「伝染性紅斑」が流行しています
最近、当院にも「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」と診断されるお子さんが続けて受診されています。
ある小学校では、10人以上の患者さんが出たという話もありました。地域的に小さな流行が起こっている可能性があります。
📌 伝染性紅斑って、どんな病気?
「伝染性紅斑」は、ヒトパルボウイルスB19というウイルスによって引き起こされる感染症です。
子どもに多く見られ、特に春から初夏にかけて流行する傾向があります。
最大の特徴は、なんといっても顔の紅斑です。
😳 顔が「ビンタされたみたい」ってどういうこと?
発熱や風邪のような症状のあと、突然、両ほほが真っ赤になります。
その見た目が「平手で叩かれたように」見えるため、英語では「slapped cheek syndrome(ビンタ顔症候群)」とも呼ばれています。
顔の紅斑が出た頃には、もうウイルスの感染力はほとんどなくなっています。
つまり、見た目は派手でも、人にうつす心配はほぼない時期です。
🧩 体や手足にも、網目状の模様が?
数日すると、腕や足、体にレースのような紅斑が現れることもあります。
この発疹は、運動後や入浴後、日光を浴びたあとに濃くなることがありますが、やがて自然に消えていきます。
🏫 学校や園は休まなくていいの?
発疹が出た時点では感染力がほぼ消えているため、登園・登校は可能です。
ただし、発熱や体調不良があれば無理をせず、しっかり休ませてあげてください。
🤰 妊婦さんはご注意を
パルボウイルスB19は、妊娠中の方が感染すると、まれに胎児に影響(胎児水腫など)を及ぼすことがあります。
お子さんが伝染性紅斑と診断された場合、妊娠中のご家族がいる場合は、念のため産婦人科に相談することをおすすめします。
🩺 治療は?ワクチンはあるの?
治療は特別な薬は不要で、自然に回復します。
解熱薬や痒み止めなど、症状に合わせた対症療法が行われます。
残念ながらワクチンや特効薬はありません。
👐 最後に:流行時期だからこそ、安心の知識を
見た目がインパクトのある「伝染性紅斑」ですが、ほとんどのお子さんは元気に回復します。
ただし、ご家族に妊婦さんがいる場合や、基礎疾患(溶血性貧血など)のある方が同居している場合は注意が必要です。
不安な症状があれば、遠慮なくご相談ください。
なぜ今「百日咳」が増えているの?
😷 なぜ今「百日咳」が増えているの?コロナとの意外な関係とは【2025年最新版】
「最近、子どもの咳が長引いてる…」
「風邪かと思ってたら、2週間以上も咳が止まらない!」
そんなときは、もしかするとそれ「百日咳(ひゃくにちぜき)」かもしれません。
そして今、百日咳が全国的に増加傾向にあるのをご存じですか?
実はその背景には、新型コロナウイルスの流行との意外な関係があるんです。
🦠 百日咳ってどんな病気?
百日咳は、細菌による呼吸器感染症です。名前の通り、長引く咳(100日咳)が特徴です。
主な症状:
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2週間以上続くしつこい咳
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発作のように止まらない咳
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咳のあと「ヒューッ」と音がする(吸気性笛声)
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咳き込みすぎて吐いてしまうことも
特に赤ちゃんや高齢者では重症化のリスクがあります。
📈 2025年、なぜ百日咳が増えているの?
🧬 コロナ禍で「免疫の貯金」が減っていた!?
2020〜2022年、みんながマスク・手洗い・外出自粛をしていたことで、百日咳を含む多くの感染症が一時的に減少しました。
でもその反面、体が免疫をつける機会も少なくなっていたのです。
これを医学的には「免疫の負債(Immunity Debt)」と呼びます。
つまり、「かかるはずだった感染症にかからなかった分、今になってまとめて流行している」という現象です。
🧪 コロナにかかると、免疫が弱くなるの?
一部の研究では、新型コロナにかかると一時的に免疫機能が落ちることが報告されています。
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風邪を繰り返す
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咳がなかなか治らない
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ワクチンを打っても抗体がつきにくい
こういった「免疫のリセット状態」が、百日咳の再感染を起こしやすくしている可能性があるのです。
🧪 いまは15分でわかる!百日咳の検査が進化
「百日咳かも?」と思ったら、病院で鼻の奥をぬぐうだけの検査で診断できるようになりました。
✅ リボテスト百日咳(Ribotest Pertussis)
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検査時間:約15分!
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感度・特異度ともに高い
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全国の医療機関で導入が進んでいます
早めに診断がつけば、抗菌薬(アジスロマイシンなど)で治療でき、他の人にうつすのも防げます。
💉 予防がなにより大切!
赤ちゃんには:
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生後3か月からDPTワクチン、4種混合、5種混合(定期接種)をしっかり受けましょう
大人には:
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実は免疫は10年ほどで切れるので、再感染する人も
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妊婦さんや育児中の家族には追加接種(TdapやDPT)も検討されます
赤ちゃんを守るためには、周囲の大人が免疫を持っていることが大切です。
✅ まとめ
💡 ポイント | 📌 内容 |
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百日咳が増加中 | 2025年、全国的に報告数が上昇 |
コロナと関係あり? | 免疫低下や感染機会の抑制が関係 |
簡単な検査あり | 15分で診断できる抗原検査が登場 |
ワクチンで予防できる | 赤ちゃんも大人も、接種が大事! |
🗣 おまけ
コロナの影響はもう終わったと思っていたら…
実は、他の病気にも「静かに」影響を与えていたんですね。
百日咳は昔の病気ではなく、今この時代にも私たちが気をつけるべき感染症です。
長引く咳、赤ちゃんの急な咳き込み…。そんなときは早めに医療機関で相談してみてください。