🩺 2型糖尿病と肥満治療での新発見:マンジャロとアルコール感受性
🩺 2型糖尿病と肥満治療での新発見:マンジャロとアルコール感受性
2型糖尿病や肥満治療でマンジャロ(チルゼパチド)を使用していると、「お酒に弱くなった」「酔いやすくなった」と感じる人が少なくありません。
これは単なる偶然ではないかもしれません。
🔬 脳と神経への作用
GLP-1/GIP受容体作動薬であるチルゼパチドは、単に血糖値を下げたり、体重を減らすだけでなく、脳内の報酬系や神経伝達物質の活動にも影響を与えていると考えられています。
実際、GLP-1受容体は脳の側坐核(nucleus accumbens)や腹側被蓋野(ventral tegmental area)といった「快感・欲求」に関与する部位にも存在しており、ドーパミン放出を調節することで飲酒欲求を抑える効果が示唆されています。また、GABA作動性ニューロンの活性化によって、報酬過剰反応を沈静化させる働きもあります。
🧠 複合的な神経・代謝作用
チルゼパチドは、GLP-1受容体だけでなくGIP(胃抑制ペプチド)受容体にも作用する二重アゴニストであり、代謝だけでなく脳内の報酬系にも複合的な影響を及ぼす可能性があります。
📉 飲酒行動の変化とエビデンス
最新の研究では、マンジャロを含むGLP-1作動薬を使用している人たちが、自発的に飲酒量を減らしているケースが多く報告されており、さらにそれが「自然に飲酒欲求が減った」と表現されることが注目されています。
💡 治療戦略の変革へ
この効果は、糖尿病とアルコール依存症という難治性の疾患を併発する患者にとっては、まさに朗報です。
従来、アルコール依存症治療薬は限定的であり、再発率も高い中、糖代謝改善薬が「依存症治療」の可能性を秘めているというのは、治療戦略に大きな変革をもたらす可能性があります。
進行中の臨床試験では、統合失調症とアルコール依存症を併発する患者にチルゼパチドを投与し、飲酒頻度や欲求の変化を観察する研究も進められています。
🔍 今後の可能性
つまり、チルゼパチドは「血糖と体重だけでなく、飲酒行動も制御しうる薬剤」であり、今後の依存症治療の柱となる可能性を秘めているのです。
🌟 糖尿病と依存症という2つの重荷を抱える人々にとって、マンジャロは新たな希望の光となるかもしれません。
⚠️ 免責事項:
本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の治療を推奨するものではありません。実際の治療については、必ず医師または医療専門家と相談してください。
おいしく治そう【糖尿病】
🍽️ おいしく治そう【糖尿病】
糖質を「正しく減らす」ことで、血糖コントロールはもっとラクになる
はじめに:糖尿病は“我慢”の病気じゃない
「糖尿病=一生薬と付き合うもの」「甘いものを断つのが大変」――そう思っていませんか?
でも実は、“糖質を正しく減らす”だけで、血糖コントロールは驚くほど改善するということが、近年の研究で明らかになっています。
今回は、最新の栄養医学に基づいて、無理せず、おいしく続けられる糖尿病対策を紹介します。
1. 低炭水化物食で血糖値が安定する理由
糖尿病の大きな特徴は、食後の血糖値が急上昇しやすいことです。
その原因は、主に「炭水化物(糖質)」の摂取量と質にあります。
炭水化物が消化・吸収されると、血糖が一気に上昇し、インスリン分泌が必要になります。
しかし、インスリン抵抗性がある糖尿病患者ではこの調整がうまくいかず、高血糖が持続します。
→ 糖質の量をコントロールするだけで、血糖の上昇を抑えることが可能です。
2. 科学的根拠:Virta Health研究の衝撃
アメリカで行われたVirta Healthの研究(2024年)では、以下のような驚くべき結果が報告されています。
-
対象:2型糖尿病患者数百名
-
方法:リモート医療支援+ケトジェニック食(糖質20〜50g/日)を5年間継続
-
結果:
-
約60%以上の患者が糖尿病の寛解状態(HbA1c<6.5%)
-
約半数がインスリンを中止
-
体重、脂質、肝機能マーカー、炎症マーカーも大幅に改善
-
📖 Virta Health 5年研究(PubMedリンク)
3. 日本人でも有効:国内研究の紹介
日本人を対象とした比較試験(2020年, 糖尿病誌)でも、1日130g未満の糖質制限食を取り入れることで、
-
HbA1cが平均0.7〜1.2%改善
-
空腹時血糖値、中性脂肪の改善
-
心理的な満足度も高い
という結果が得られています。
4. GI値・GL値を活用して「賢く糖質を選ぶ」
食後血糖を上げやすい食品かどうかを見分ける指標が「GI値(グリセミック・インデックス)」と「GL値(グリセミック・ロード)」です。
食品例 | GI値 | 備考 |
---|---|---|
白米 | 約84 | 高GI |
全粒粉パン | 約50 | 中GI |
玄米 | 約55 | 中GI(低め) |
大豆、ナッツ類 | 20〜30 | 低GI・低GLで優秀 |
さつまいも | 約55 | 食物繊維が多く低め |
ポイントは「同じ炭水化物でも、質によって血糖への影響が違う」ということ。
5. 今日からできる!実践アドバイス
✅ 主食の見直し
-
白米→雑穀米・玄米
-
パン→全粒粉パン・ブランパン
✅ 糖質の「かさ増し」テク
-
ご飯の量を減らし、豆腐や野菜で満足感アップ
-
ナッツやチーズで間食を工夫
✅ タンパク質・脂質を恐れない
-
卵、肉、魚、ナッツ、オリーブオイルなどを適量しっかり
-
食事の満足感と血糖安定に貢献します
まとめ:糖質制限は制限ではなく“選択”
糖質制限=食の楽しみを奪う、ではありません。
むしろ「賢く選ぶ」ことで、血糖コントロールがラクになり、食事がもっと楽しくなるのです。
📌 医師からのひと言
糖尿病の食事指導は「カロリー制限」から「質と構成の最適化」へと進化しています。
食事で血糖が安定すれば、薬も減らせる可能性があります。
ぜひ、おいしく・ムリなく・科学的に、糖尿病コントロールを始めてみましょう。