2025-08-28 08:36:00

更年期女性に多い「メノハンド」とは?

更年期女性に多い「メノハンド」とは?原因・症状・対処法を解説

こんにちは。今回は更年期女性に多く見られる「メノハンド」について、最新の知見をもとに解説します。

手のこわばりや痛みでお悩みの方に役立つ情報をまとめました。

👋 メノハンドとは?

「メノハンド」とは、日本手外科学会が2023年に提唱した新しい概念で、更年期に女性ホルモン(エストロゲン)が減ることで起きやすい、手や指のトラブルをまとめた呼び名です。手の関節・腱・神経に起こる複数の症状を包括しています。

🤔 主な症状

  • 朝、手がこわばって動かしにくい

  • 指の曲げ伸ばしがしにくい

  • 握力が弱くなり、物を落としやすい

  • 手首や指の痛み、腫れ

こうした症状は、日常生活の中で「ペットボトルのキャップを開けにくい」「スマホを長く持っていられない」といった形で現れます。

🩺 関連する病気

メノハンドは、以下の病気を含むことがあります:

  • ヘバーデン結節・ブシャール結節(指の関節の変形)

  • ばね指(指の引っかかり)

  • ド・ケルバン病(手首の腱の炎症)

  • 手根管症候群(手のしびれ、夜間痛)

🧬 なぜ起こるの?

更年期に入ると女性ホルモン(エストロゲン)が減少します。エストロゲンには炎症を抑える作用や、腱や靱帯・軟骨を守る働きがあります。そのため、

  • 炎症が起こりやすくなる

  • 組織がもろくなる

  • 回復力が低下する
    といった変化が重なり、手の不調が目立ちやすくなります。

👐 対処法とセルフケア

1. 手を温める

お湯に浸す、蒸しタオルを当てる → 血流を促進し、こわばりを和らげます。

2. 腱滑走運動(けんかっそううんどう)

代表的な手の体操です。痛みが強いときや炎症が急に強まったときは無理に行わず、安静も大切です。

  • Arrow:指をまっすぐ伸ばす

  • Claw:指先だけ曲げる

  • Tabletop:付け根を曲げ、指先は伸ばす

  • Fist:こぶしを作る
    👉 各動きを5秒キープ × 5回

3. 握力トレーニング

柔らかいボールを握ったり、つまんだりして手指の筋肉を鍛えると、物を持ちやすくなります。

4. 食事・栄養

  • 大豆製品(豆腐・納豆・豆乳)やエクオール

  • 魚の油(オメガ3脂肪酸)

  • ビタミンD・E、カルシウム

  • 野菜・果物に含まれる抗酸化成分

  • 適正体重の維持、禁煙、バランスの良い食生活も重要

5. 医療での治療

  • 湿布や痛み止めの薬

  • 炎症が強い場合はステロイド注射

  • ホルモン補充療法(HRT)※医師と相談

  • 手術が必要になる場合もあります(ばね指・手根管症候群など)

🔎 鑑別診断も大切

似た症状を起こす病気として、以下が挙げられます。

  • 関節リウマチ(RA)

  • 痛風・偽痛風(CPPD)

  • 糖尿病性手症候群

  • 甲状腺疾患

  • 全身性エリテマトーデス(SLE)など膠原病

自己判断せず、必要に応じて専門医に相談することが大切です。

🌸 まとめ

「メノハンド」は更年期女性に多い手の不調の総称です。セルフケア(温める・動かす・栄養をとる)を取り入れ、必要に応じて医療機関を受診することで、日常生活を快適に保つことができます。

 

👉 手の違和感が続くときは、早めの対応が安心につながります。

2025-05-07 18:17:00

🌸 女性ホルモンの話:からだとこころを支えるエストロゲンのちから

 

🌸 女性ホルモンの話:からだとこころを支えるエストロゲンのちから

1️⃣ 女性ホルモンとは?

女性ホルモンとは、主に卵巣から分泌されるホルモンで、女性の心と体の健康を調整する大切なメッセンジャーです。主なホルモンは2種類:

ホルモン 主な役割
エストロゲン(E2) 妊娠の準備、肌や血管、骨、脳、免疫の健康維持
プロゲステロン(P4) 妊娠維持、体温調整、感情の安定、子宮内膜の変化

2️⃣ 一生の中で変化するホルモン

ライフステージ ホルモンの変化 主な影響
思春期(10代) 急増 初潮・胸の成長・情緒変化
性成熟期(20〜30代) 安定 妊娠可能・月経周期の安定
周閉経期(40代後半) 不安定 月経不順・PMS・気分の波
閉経・更年期(50代) 急減 ほてり・不眠・イライラ・骨量減少
高齢期(60代以降) 極低値で推移 骨粗鬆症、認知機能低下、心血管疾患リスク上昇

3️⃣ エストロゲンが守っているもの

エストロゲンは、単に妊娠のためのホルモンではありません。全身の多くの臓器を守る働きがあります。

臓器・系統 作用
🧠 脳 記憶力・集中力の維持、気分安定、認知症予防
❤️ 血管 動脈硬化の抑制、コレステロール調整
🦴 骨 骨吸収の抑制、骨密度維持
👩‍⚕️ 皮膚・粘膜 ハリ・潤いの維持、膣の健康
💪 筋肉・代謝 筋量維持、脂肪の蓄積を抑制
🛡 免疫 抗炎症・免疫調節(自己免疫との関連も)

4️⃣ エストロゲンが減るとどうなる?

閉経後、エストロゲンは10分の1以下に急減
すると、以下のような全身的な変化・不調・疾患が出やすくなります:

  • ホットフラッシュ、動悸、睡眠障害

  • 膣の乾燥、性交痛、尿トラブル

  • 骨粗鬆症、骨折のリスク

  • 動脈硬化、心筋梗塞、脂質異常症

  • 気分の落ち込み、認知症リスク

5️⃣ 女性ホルモンが減っても元気でいるために

✅ 選択肢のひとつ:ホルモン補充療法(HRT)

  • 閉経後の症状緩和、骨や脳の保護に有効

  • 60歳未満、閉経後10年以内の開始が最も効果的かつ安全

  • 副作用や禁忌もあるため、専門医との相談が必須

✅ その他のケア

  • 運動(骨・筋肉・脳を保つ)

  • 食事(カルシウム・ビタミンD・オメガ3など)

  • 睡眠とストレスケア(自律神経とホルモンの関係)

  • 女性ホルモンを助ける栄養素・漢方・サプリも併用可能

💬 最後に

女性ホルモンは、人生のあらゆるステージで、
あなたのからだとこころに静かに、けれど確かに働いています。

ホルモンと上手につき合いながら、自分の変化を前向きに受け止め、ケアしていくことが、健康で美しく年を重ねるためのカギです。