和MIND食 Vol.2 DHAは脳へ届く。それでも「DHAだけでは足りない」理由
和MIND食 Vol.2
DHAは脳へ届く。それでも「DHAだけでは足りない」理由
はじめに
前回の「和MIND食 Vol.1」では、DHAに関する最新研究をご紹介しました。
その研究では、DHAサプリメントを摂取すると、血液中だけでなく脳へもDHAが届くことが確認されました。
これは、とても重要な発見です。
一方で、認知機能を改善する効果は期待したほど大きくありませんでした。
「脳まで届くのに、なぜ記憶は改善しないのでしょうか。」
今回は、その理由について考えてみたいと思います。
DHAは「脳の材料」
脳は約60%が脂質でできています。
その中でもDHAは、神経細胞の膜を構成する重要な脂肪酸です。
神経細胞は、お互いに情報をやり取りしながら記憶を作っています。
そのため、細胞膜が健康であることは、とても大切です。
DHAは、その「材料」を補う役割を担っています。
材料だけでは家は建ちません
しかし、家を建てるには木材だけでは足りません。
基礎があり、
柱があり、
電気や水道が整って、
初めて家として機能します。
脳も同じです。
DHAという材料があっても、それだけでは記憶は十分に働きません。
記憶は「海馬」で作られる
新しい出来事を覚えるとき、中心となるのが海馬です。
海馬では、神経細胞同士の結びつきが強くなることで記憶が作られます。
この仕組みは長期増強(LTP)と呼ばれ、最近では「記憶スイッチ」と考えられています。
このスイッチを正常に働かせるためには、DHAだけでは十分ではありません。
記憶は栄養のチームプレー
現在の研究では、
記憶を支えるためには、
-
DHA
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亜鉛
-
ビタミンB12
-
葉酸
-
鉄
-
ビタミンD
-
マグネシウム
など、多くの栄養素が協力して働いていることが分かってきました。
一つだけが特別なのではなく、それぞれが異なる役割を担っています。
つまり、
記憶は「栄養のチームプレー」なのです。
だから和MIND食
和MIND食は、
「この食品だけ食べれば認知症を防げる」
という考え方ではありません。
魚、
大豆、
野菜、
海藻、
きのこ、
果物、
ナッツ、
発酵食品……
さまざまな食品を組み合わせることで、脳に必要な栄養素をバランスよく補うことを目指しています。
一つのサプリメントではなく、
毎日の食卓全体で脳を支える。
それが和MIND食の考え方です。
おわりに
DHAは、脳にとって欠かせない栄養素です。
しかし、最新の研究が教えてくれたのは、
「DHAだけでは十分ではない」
ということでした。
認知症予防は、一つの栄養素を追い求める時代から、
さまざまな栄養素を組み合わせて脳を守る時代
へと変わりつつあります。
和MIND食は、その考え方を日々の食卓で実践するための一つの方法です。
次回予告
海馬には、脳の中でも特に多く存在するミネラルがあります。
それが亜鉛です。
近年、亜鉛は「記憶スイッチ」を支える重要な栄養素であることが分かってきました。
次回は、
「亜鉛は記憶スイッチを支えるミネラル」
をテーマに、最新の研究をご紹介します。
