糖尿病治療は「続けられること」が大切 緩やかな糖質コントロールと薬物療法で改善した一例
糖尿病治療は「続けられること」が大切
緩やかな糖質コントロールと薬物療法で改善した一例
糖尿病と診断されると、
「もうご飯は食べられないのですか?」
「糖質は全部やめなければいけませんか?」
と心配される方が少なくありません。
しかし実際には、極端な食事制限が必ずしも成功につながるわけではありません。
むしろ、無理なく続けられる方法を長く続けることが、糖尿病治療の成功につながります。
今回ご紹介するのは、緩やかな糖質コントロールと薬物療法によって良好な血糖管理が得られた一例です。
治療前の状態
治療前には、
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HbA1c 7%前後
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血糖値 200mg/dL前後
で推移していました。
HbA1cは過去1~2か月の平均的な血糖状態を示す指標です。
7%を超える状態が続くと、
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網膜症
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腎症
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神経障害
といった糖尿病の合併症リスクが高まります。
さらに、
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心筋梗塞
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脳梗塞
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心不全
などの動脈硬化性疾患の危険も増加します。
行ったこと
この患者さんでは、
極端な糖質制限ではなく、
「主食を少し減らす」
という現実的な方法を選択しました。
具体的には、
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ご飯の量を調整する
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甘い飲み物を控える
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野菜やたんぱく質を先に食べる
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間食を見直す
といった方法です。
加えて、
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メトホルミン
-
SGLT2阻害薬
を使用しました。
メトホルミンとは
メトホルミンは世界中で最もよく使われている糖尿病治療薬のひとつです。
肝臓から余分な糖が作られるのを抑え、
インスリンの効きを改善します。
体重が増えにくく、低血糖も起こしにくいという特徴があります。
SGLT2阻害薬とは
SGLT2阻害薬は、余分な糖を尿へ排泄する薬です。
近年は単なる血糖降下薬ではなく、
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心不全予防
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腎臓保護
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体重減少
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血圧低下
などの効果が注目されています。
糖尿病患者さんの「心臓と腎臓を守る薬」として重要な位置を占めています。
結果
グラフをご覧ください。
治療前には200mg/dL前後で推移していた血糖値が徐々に改善し、
それに少し遅れてHbA1cも低下しています。
最終的には、
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HbA1c 5.5~6.0%
-
血糖値 90~100mg/dL前後
で安定するようになりました。
糖尿病患者さんとしては非常に良好なコントロールです。
グラフから分かること
興味深いのは、
血糖値が先に改善し、その後HbA1cが改善していることです。
これはHbA1cが過去1~2か月の平均値を反映するためです。
生活習慣を改善しても、成果は少し遅れて現れます。
「頑張っているのにHbA1cが下がらない」
と焦る必要はありません。
改善は確実に積み重なっています。
糖尿病治療の本当の目標
糖尿病治療は単に数字を下げることではありません。
本当の目標は、
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心筋梗塞を防ぐ
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脳卒中を防ぐ
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腎臓を守る
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心不全を防ぐ
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認知機能を守る
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元気に長生きする
ことです。
最近では、
「血糖だけを見る時代」
から、
「心臓・腎臓・血管を守る時代」
へと考え方が変わってきています。
おわりに
糖尿病は短距離走ではありません。
マラソンです。
極端な糖質制限を数か月続けるより、
適度な糖質コントロールを何年も続ける方が良い結果につながります。
この症例は、
「無理をしない」
「続けられる方法を選ぶ」
ことの大切さを教えてくれます。
糖尿病治療の成功とは、完璧を目指すことではなく、長く続けられる習慣を身につけることなのです。
※本記事は患者さんの同意を得たうえで、個人が特定されないよう内容を編集しています。また治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。

