菜食なのに顔色が悪い? からだの中で起きている「色のミステリー」
菜食なのに顔色が悪い?
からだの中で起きている「色のミステリー」
「健康のために野菜をたくさん食べています」
「お肉は控えています」
「毎朝スムージーを飲んでいます」
とても良い習慣のように見えます。
ところが外来では、ときどきこんな方がいます。
「なんだか顔色が悪い」
「疲れやすい」
「立ちくらみがする」
「肌のつやがない」
「黄色っぽいと言われる」
野菜をしっかり食べているのに、なぜでしょうか。
実は、顔色には体の栄養状態がかなり正直に出ます。
顔色その1
青白い顔色は「鉄不足」のサインかも
顔色が青白い。
唇の赤みが少ない。
下まぶたの裏が白っぽい。
この場合、まず考えたいのは鉄不足です。
特に女性は月経で鉄を失いやすく、そこに肉や魚の少ない食事が重なると、鉄不足になりやすくなります。
植物性食品にも鉄は含まれますが、肉や魚に含まれる鉄に比べると吸収されにくいという特徴があります。
鉄が足りないと、体の中の「酸素を運ぶトラック」が減ってしまいます。
すると、
・疲れやすい
・息切れしやすい
・動悸がする
・立ちくらみ
・爪が割れやすい
・髪が抜けやすい
といった症状が出ることがあります。
つまり青白い顔色は、体が
「酸素の配達が足りません」
と知らせているのかもしれません。
顔色その2
黄色っぽい顔色は「野菜の色」が出ていることも
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、スムージー。
これらをたくさん摂っている方で、皮膚が黄色っぽく見えることがあります。
これはβカロテンによるカロテネミアのことがあります。
カロテネミアは、皮膚に黄色〜橙色の色素がたまる状態です。
特に目立ちやすいのは、
・手のひら
・足の裏
・鼻のまわり
・顔
です。
ここで大切なのは、黄疸との違いです。
カロテネミアでは、皮膚は黄色く見えても、白目は黄色くなりません。
一方、黄疸では白目も黄色くなります。
「黄色い=すぐ肝臓病」とは限りませんが、白目まで黄色い場合は医療機関での確認が必要です。
顔色その3
元気のない顔色は「タンパク質不足」かも
野菜はたっぷり。
でも、タンパク質は少なめ。
このパターンもよくあります。
タンパク質は筋肉だけの材料ではありません。
血液、皮膚、髪、爪、ホルモン、免疫、酵素など、体のかなり多くの部分がタンパク質でできています。
不足すると、
・肌の張りがない
・髪が細くなる
・疲れやすい
・むくみやすい
・風邪をひきやすい
といったことが起こります。
野菜はビタミンと食物繊維の宝庫ですが、体を作る材料としてのタンパク質も必要です。
顔色その4
ビタミンB12不足は「静かな不足」
菜食、特に完全菜食では、ビタミンB12不足にも注意が必要です。
ビタミンB12は主に動物性食品に含まれます。
不足すると、
・貧血
・疲れやすさ
・しびれ
・舌の痛み
・集中力低下
・気分の落ち込み
が起こることがあります。
鉄不足だけを見ていると、B12不足を見落とすことがあります。
野菜は悪者ではありません
ここで誤解してほしくないのは、野菜が悪いわけではない、ということです。
野菜はとても大切です。
問題は、
「野菜を足す」ことではなく、
「必要なものまで抜いてしまう」ことです。
健康的な食事とは、何かを極端に減らすことではありません。
からだに必要な材料を、過不足なくそろえることです。
顔色は、からだからのメッセージ
顔色が悪いとき、からだの中では次のようなことが起きているかもしれません。
青白い
→ 鉄不足、B12不足、貧血
黄色っぽい
→ βカロテンの摂りすぎ、カロテネミア
つやがない
→ タンパク質不足、亜鉛不足、脂質不足
疲れた印象
→ エネルギー不足、低栄養、慢性疲労
顔色は、からだの「掲示板」のようなものです。
見た目の問題だけではなく、栄養状態を知らせるサインかもしれません。
菜食を続けるなら、ここをチェック
菜食を健康的に続けるためには、次の栄養素を意識しましょう。
・鉄
・ビタミンB12
・タンパク質
・亜鉛
・オメガ3脂肪酸
・ビタミンD
・ヨウ素
特に月経のある女性、妊娠を希望する方、疲れやすい方は注意が必要です。
まとめ
菜食は、上手に設計すれば健康的な食事になります。
しかし、設計を間違えると、
「野菜は足りているのに、体を作る材料が足りない」
ということが起こります。
顔色が悪い。
疲れやすい。
黄色っぽい。
肌につやがない。
そんなときは、単なる美容の問題ではなく、栄養のサインかもしれません。
食事は思想ではなく、からだとの対話です。
からだの声を聞きながら、自分に合った食べ方を見つけていきましょう。
※本記事は一般的な健康情報です。症状が続く場合、白目が黄色い場合、強い疲労感や息切れがある場合は、医療機関へご相談ください。
