2026-05-05 17:27:00

🦠 新型コロナウイルス感染症・COVID-19とCKD

🦠 COVID-19とCKD

腎臓を守るために、感染対策を続けましょう

はじめに

慢性腎臓病、つまりCKDの方にとって、新型コロナウイルス感染症・COVID-19は単なる「かぜ」ではありません。

COVID-19は、肺だけでなく、発熱・脱水・炎症・血管への影響などを通じて、腎臓にも負担をかけることがあります。

特にCKDの方では、感染をきっかけに腎機能が悪化することがあるため、注意が必要です。

COVID-19で腎臓に負担がかかる理由

腎臓は、血液をろ過するだけでなく、体に必要な水分やミネラルを調整しています。

COVID-19では、次のようなことが腎臓への負担になります。

① 脱水

発熱、下痢、食欲低下があると、体の水分が不足しやすくなります。
脱水になると腎臓に流れる血液が減り、腎機能が悪化することがあります。

② 全身の炎症

感染により体の中で炎症が起こると、腎臓の細い血管や組織にも負担がかかります。

③ 血管への影響

COVID-19では、血管の内側に影響が出ることがあります。
重症例では血液が固まりやすくなることもあり、腎臓への血流に影響する場合があります。

④ 尿細管への影響

最近の研究では、COVID-19で腎臓の「尿細管」という部分に影響が出ることも報告されています。

尿細管は、体に必要な成分を回収する場所です。
つまりCOVID-19では、腎臓の「ろ過」だけでなく、体に必要なものを戻す働きにも影響する可能性があります。

ただし、腎機能が大きく悪化するのは中等症から重症例で多くみられます。
それでもCKDの方は腎臓の予備力が少ないため、軽症に見えても油断せず、体調の変化に注意することが大切です。

CKDの方が特に注意したい理由

CKDの方は、腎臓の予備力が低下しています。

普段は安定していても、

・感染
・脱水
・食事量の低下
・発熱
・薬の影響

が重なると、腎機能が悪化することがあります。

特に注意が必要なのは、

・腎機能が中等度以上に低下している方
・CKD G3以上と言われた方
・高齢の方
・糖尿病のある方
・高血圧のある方
・心不全のある方

です。

😷 マスクは「場面を選んで」使う

マスクは感染を完全に防ぐものではありません。
しかし、感染リスクの高い場面では、今も有効な予防策の一つです。

感染するにしても体内に取り込むウイルス量を減らせます。

特にCKDの方には、次のような場面でのマスクをおすすめします。

・医療機関
・薬局
・混雑した屋内
・換気の悪い場所
・高齢者施設
・長時間会話をする場面

CKDの方にとって感染予防は、単なるマナーではなく、腎臓を守るための生活管理です。

💉 ワクチンについて

ワクチンは、COVID-19の感染を完全に防ぐものではありません。
しかし、重症化や入院のリスクを下げることが分かっています。

CKDのある方は重症化リスクが高くなるため、年齢、腎機能、持病、過去の副反応などを考えながら、接種について主治医と相談することが大切です。

感染した時に大切なこと

COVID-19や発熱性疾患にかかった時は、早めの対応が重要です。

① 脱水を避ける

発熱、下痢、食欲低下がある時は、脱水になりやすくなります。
水分が取れない状態が続く場合は、早めに相談してください。

ただし、心不全やむくみのある方は、水分を取りすぎてもよくない場合があります。
水分量については、主治医の指示に従ってください。

② 薬を自己判断で中止しない

体調が悪い時には、薬の調整が必要になる場合があります。

特に、

・痛み止め
・利尿薬
・一部の降圧薬
・糖尿病の薬

などは、脱水や食事量低下の時に注意が必要です。

発熱や食事が取れない時には、薬の一部を一時的に調整することがあります。
これを「シックデイルール」と呼ぶことがあります。

ただし、自己判断で薬を中止するのは危険です。
迷った時は必ず医療機関に相談してください。

③ 早めに相談してほしい症状

次のような症状がある時は、早めにご相談ください。

・尿の量が減った
・むくみが強くなった
・食事や水分が取れない
・強いだるさが続く
・息苦しい
・血圧が大きく変動する
・意識がぼんやりする

「もう少し様子を見よう」と思っているうちに、腎機能が悪化することがあります。

日頃からできる腎臓を守る感染対策

✅ 医療機関や人混みではマスク
✅ 手洗い
✅ 換気
✅ 体調不良の人との接触を避ける
✅ 睡眠をしっかり取る
✅ 脱水を避ける
✅ ワクチンについて主治医と相談する

クリニックから患者さんへ

CKDの管理では、血圧、血糖、塩分、体重、薬の調整が大切です。

しかし、それだけではありません。

COVID-19などの感染症を防ぐことも、腎臓を守る大切な治療の一部です。

特にCKDの方では、感染をきっかけに腎機能が悪化することがあります。

だからこそ当院では、

感染対策は、腎臓を守る生活管理の一部です

とお伝えしたいと思います。

気になる症状がある時は、早めにご相談ください。

まとめ

COVID-19は、肺だけでなく腎臓にも影響することがあります。

CKDの方では、感染、脱水、炎症、薬の影響などが重なることで、腎機能が悪化することがあります。

腎臓を守るために大切なのは、

🌿 感染しない工夫
😷 リスクの高い場面でのマスク
💧 脱水予防
💊 薬の自己判断を避けること
💉 ワクチンについて相談すること
🏥 早めの受診・相談

です。

腎臓を守るために、今できる感染対策を続けていきましょう。

免責事項

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。

個別の診断、治療、薬剤調整については、必ず主治医にご相談ください。