🦵「寒くなると膝が痛む」――これって変形性膝関節症?
🦵「寒くなると膝が痛む」――これって変形性膝関節症?
〜町の保健室長が自分の膝痛を通して考えたこと〜
🧳 はじめに
先日の連休を利用して、久しぶりに故郷の北海道へ帰省してきました。
朝晩の空気はもうすっかり冬。澄んだ空気と広い空に癒やされました。
ところがその数日前から、左ひざの内側がズキズキ痛むようになったのです。
「寒くなったせいか?」「どこかでひねったのか?」と考えながらも、
とりあえず湿布と痛み止めでごまかし、なんとか出発の日までに痛みは落ち着きました。
ただ、歩くたびに気になったこの痛み。
医師である私も「これはもしや…」と思わず自分の膝を診察してしまいました。
🩺 これがまさに「変形性膝関節症」のはじまり
変形性膝関節症(へんけいせい・ひざ・かんせつしょう)は、
膝の関節軟骨がすり減って炎症や痛みが出る中高年に多い関節疾患です。
主な原因
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加齢による軟骨のすり減り
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体重増加による負担
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O脚傾向
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過去のスポーツやケガ
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筋力低下、特に太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)の衰え
日本では、40歳以上の約6割が膝の変形を持つとも言われています。
❄️ なぜ寒くなると膝が痛むのか?
寒さや気圧の変化が、膝の痛みを悪化させることはよくあります。
理由は大きく3つあります👇
| 要因 | 仕組み |
|---|---|
| ① 血流低下 | 寒さで筋肉が硬くなり、関節の動きが悪化 |
| ② 関節液の粘度上昇 | 冷えると関節液が“重く”なり、動かしにくくなる |
| ③ 気圧低下 | 関節内圧が上がり、痛みを感じやすくなる |
「冷えると膝が痛い」のは、気のせいではありません。
実際に、温度や気圧の変化で関節内の感覚神経が敏感になることがわかっています。
💡 自分でできる膝ケアの基本
寒い時期の膝痛は、「冷え+使いすぎ+筋力低下」の複合的な結果です。
薬や湿布だけでなく、毎日の習慣がとても大切です。
🧘♀️ 1. 太もも(大腿四頭筋)を鍛える
膝関節を支えるのは、太ももの筋肉。
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椅子に座って片脚を伸ばし、5秒キープ(10回×3セット)
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膝裏にタオルを入れて押しつける「クアドラセッツ運動」も効果的
🧣 2. 膝を冷やさない
就寝時の冷えは大敵。
サポーターやレッグウォーマーで膝を温めるだけで痛みが軽減する人もいます。
🚶♂️ 3. 無理のない範囲で歩く
痛みがあるからと動かさないと、筋肉が落ちてさらに悪化します。
1日20分程度のウォーキングを習慣に。
🥗 4. 栄養も関節の味方
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魚(オメガ3脂肪酸)
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コラーゲン・ビタミンC
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ビタミンD(骨と筋肉の維持に必須)
これらを意識して摂りましょう。
🧪 もし痛みが続く場合は?
3週間以上痛みが続く場合や、腫れ・熱感がある場合は、
整形外科でのX線(レントゲン)検査をおすすめします。
必要に応じて、
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ヒアルロン酸注射
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理学療法(リハビリ)
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再生医療(PRP療法や脂肪幹細胞療法)
など、症状に合わせた治療が検討されます。
🧠 まとめ 〜膝は「使い方」で守れる関節〜
膝の痛みは「老化」ではなく、「サイン」です。
体の声を無視せず、早めにケアすれば進行を防ぐことができます。
私自身、今回の膝痛を通して改めて実感しました。
湿布や痛み止めだけで安心せず、日常の動き方や筋力を見直すことが何よりの治療です。
寒い季節こそ、温め・動かし・守る。
この3つを意識して、膝をいたわってあげてください。
👨⚕️ 町の保健室長よりひとこと
「膝の痛みは誰にでも起こりうるものです。
自分の体の変化に気づけることが、健康管理の第一歩。
早めの受診と、無理のないケアを心がけましょう。」
