【抗加齢医学の視点からみた超加工食品(UPFs)の危険性】
【抗加齢医学の視点からみた超加工食品(UPFs)の危険性】
❗️その食品、本当に「食べ物」ですか?
カップラーメン、スナックパン、コンビニパスタ。これらはすべて「超加工食品(Ultra-Processed Foods: UPFs)」に分類される食品です。
これらの摂取が多い人ほど、神経変性疾患(パーキンソン病・認知症)や心血管疾患、うつ病、全死亡リスクが有意に高まることが、近年の大規模疫学研究やメタ解析により明らかになっています。
📖 NOVA分類とは?
ブラジルの研究者グループが提唱した「NOVA分類」は、食品を加工度の観点から4段階に分類します。
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未加工・最小限加工食品:野菜、果物、魚、卵、未精製穀類など
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調理用素材:塩、砂糖、油、小麦粉など
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加工食品:味噌、ヨーグルト、ナッツ、缶詰など
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超加工食品(UPFs):スナック菓子、加工肉、冷凍食品、即席麺など
🧠 脳神経疾患とUPFs
ヨーロッパの大規模コホート研究(n=42,853、中央値26年追跡)では、UPFを日常的に多く摂取する群(11品目/日以上)は、少ない群(2〜3品目/日)と比較して、パーキンソン病の前駆症状を有する確率が2.47倍(OR 2.47, 95%CI 1.89–3.23)に増加しました。
また、UPFの摂取量が10%増えるごとに、認知症やうつ病リスクが段階的に増加する傾向も報告されています。
🫀 心血管疾患・全死亡リスク
最新の系統的レビューおよびメタアナリシス(115万人超を対象)によると、UPF摂取が最も多い群では、以下のリスク上昇が確認されています。
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心血管イベント(CVE):相対リスク1.35(95%CI 1.18–1.54)
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全死亡リスク:相対リスク1.21(95%CI 1.15–1.27)
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UPFの摂取量が1日1品目増えるごとに、心血管リスクは4%、死亡リスクは2%上昇
(出典:BMJ 2024, Nutrients 2023)
🔬 なぜUPFは健康を損なうのか? 〜生理学的メカニズム〜
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酸化ストレス増加:過酸化脂質・添加物が神経細胞や血管内皮を障害
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報酬系の異常活性化:人工的な甘味・香料が食欲調節機能を乱す
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腸内細菌叢の悪化:乳化剤や人工甘味料が腸内環境を破壊し、慢性炎症を誘導
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ミトコンドリア機能障害:栄養素密度が低く、エネルギー代謝効率が低下
これらは抗加齢医学で重視される慢性炎症(inflammaging)や糖化・酸化ストレスの増悪に直結します。
🌿 いますぐ始められる生活習慣の改善
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📦 原材料名を確認:「聞き慣れない化学名」が含まれていれば要注意
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🛒 レトルト・加工チーズ・冷凍食品の頻度を減らす
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🥣 オートミール、青魚、豆類、発酵食品、野菜を中心とした食生活へ
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🧂 自然な塩・油・酢を使い、自炊を増やす
🧭 「何を食べるか」よりも「どれだけ加工されているか」
カロリーや脂質の量だけに着目するのではなく、「食品の加工度」に注目した食選択が、神経・心血管のアンチエイジングにつながります。
超加工食品を避け、自然な食材を中心に据えることが、老化の速度を緩やかにし、健康寿命を延ばす重要な鍵となります。