2024-12-22 22:14:00

コウとサリーの物語

コウとサリーの物語

 

ここは、古い家。

その家には、13歳の黒柴犬・コウが暮らしていました。

コウは穏やかで優しい犬で、家族みんなに愛されていました。

 

ある日、新しい家族がやってきました。

それは、生後3か月の小さなチワワのサリーです。

サリーは元気いっぱいで、家の中を駆け回って遊びますが、外に出るのは少し怖いようでした。

 

毎日、コウは楽しそうに散歩に出かけます。

サリーは窓からその様子をじっと見つめていました。

「お外って、怖くないのかな?」

そう思いながら、サリーは少しずつ外に出る練習を始めました。

 

最初は恐る恐るだったサリーも、コウの後をついて歩くうちに、外の世界が楽しい場所だと気づきました。

やがて、二匹は一緒にたくさんの場所を冒険するようになりました。

緑の公園、川沿いの道、広い原っぱ…どこへ行っても楽しい時間が流れていました。

 

しかし、長い間元気だったコウの体が、病気でだんだん弱っていきました。

「コウ、大丈夫?」

サリーは心配そうにコウのそばに寄り添い、少しでも元気づけようとしました。

 

そして、ある日、コウとのお別れの日がやってきました。

家族もサリーも悲しみに包まれました。

 

それでも、サリーは勇気を振り絞り、コウから教わったことを胸に、毎日散歩に出かけるようになりました。

コウが好きだった公園や川沿いの道を訪れ、思い出に浸ることもありましたが、サリーは新しい冒険を楽しむことを忘れませんでした。

 

サリーはどんなときも、コウとの友情を心に刻んでいました。

家の中では、コウが好きだった場所で少し寂しそうに目を閉じることもあります。

でもサリーは、コウからもらった思い出と勇気を胸に、今日も元気に歩いていくのでした。

 

おしまい

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