高齢者の「隠れビタミンB12不足」と認知機能低下の関係
高齢者の「隠れビタミンB12不足」と認知機能低下の関係
年齢を重ねると、「物忘れが増えた」「頭がスッキリしない」と感じることはありませんか? もしかすると、それは“隠れビタミンB12不足”が原因かもしれません。この記事では、ビタミンB12と脳の健康の深い関係について、わかりやすくご紹介します。
✅ ビタミンB12ってどんな栄養素?
ビタミンB12は、脳の神経を守ったり、記憶力や集中力を保つためにとても大切な栄養素です。体の中でDNAを作ったり、赤血球をつくる働きもあります。
しかし、加齢とともに、胃酸の分泌が減ったり、お薬(胃薬や糖尿病薬など)の影響で、食べ物からの吸収がうまくいかなくなることがあります。その結果、知らないうちに「ビタミンB12不足」になってしまう人が増えています。
🔍 「血液検査は正常」でも安心できない?
実は、通常の血液検査で測る「総ビタミンB12」は、体で使える形(活性型)と、使えない形(不活性型)の両方をまとめて測っているんです。つまり、
数値が正常でも、実際には体で使えるB12が足りていないことがあるのです!
最近の研究(Annals of Neurology, 2025年)では、使える形のB12(ホロトランスコバラミン)が少ない高齢者は、
-
脳の白質が傷んでいたり
-
認知速度や反応が遅くなったり
-
視覚情報の処理に時間がかかったり
という問題があることが分かりました。
🧠 ビタミンB12が足りないと脳はどうなる?
B12が足りないと、神経のまわりを守っている「ミエリン鞘(しゃう)」が壊れてしまい、信号の伝達がうまくいかなくなります。その結果、
-
物忘れが増える
-
ぼんやりする
-
気分が落ち込む
など、認知症に似た症状が起こることも。
🩺 どうやってチェックできる?
日本でも一部の病院やクリニックでは「活性型ビタミンB12」を測る検査ができます(保険外・自費になることが多いです)。また、葉酸やホモシステインという項目もあわせて見ると、より正確な判断ができます。
🍽 食事やサプリでの対策は?
ビタミンB12は、主に動物性食品(レバー、赤身の肉、魚、卵など)に多く含まれます。ただし、高齢者では吸収力が落ちていることもあるので、
-
舌下で吸収されるサプリ
-
注射タイプ(病院で)
なども活用するとよいでしょう。特に「メチルコバラミン」という形が、神経の働きをサポートするとして注目されています。
🌟 まとめ:年齢とともに「隠れB12不足」に要注意!
高齢になると、ビタミンB12の不足に気づきにくくなりがち。でも、ちょっとした物忘れや集中力の低下が「栄養のサイン」かもしれません。
✔「検査は正常」と言われても安心せず、
✔活性型B12のチェックやサプリ活用を考えてみましょう!
脳の健康は、毎日の栄養から。気になる方は、医師や栄養の専門家に相談してみてくださいね。
🛡 免責事項
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、医学的アドバイスの代替を意図するものではありません。健康上の不安がある場合は、必ず医師などの医療専門家にご相談ください。