2024-07-28 22:35:00

臨床催眠と私

臨床催眠と私

 

日常的な催眠

 

催眠とは、意識の変容状態を意味しており、私たちは日常生活の中で自然に催眠状態に入ったり出たりしています。例えば、本に夢中になって時間を忘れたり、車を運転しながら無意識に目的地に到着することも、催眠の一形態です。こうした日常の中での催眠状態は、誰にとっても自然なものであり、特別な状況や場所が必要なわけではありません。

 

臨床での催眠

 

臨床の現場では、催眠は治療者の誘導によって現実意識の低下や特定の事象への没入を促す手法として用いられます。この催眠現象は、コミュニケーションのツールとして機能し、クライアントの持つ問題や症状の解決・改善を助けます。特に、リラクゼーション誘導は不安を和らげ、自律神経の調整や痛みのコントロールなどに有効です。また、カタレプシー誘導は疼痛コントロールを目的として用いられます。

 

創造的催眠

 

私が最も気に入っているのは、創造的催眠と呼ばれる誘導方法です。これは、クライアントの無意識的な創造力を引き出し、心身の調和を図るものです。心身症などの場合、客観的症状、心理社会的要因、無意識的要因の相互関係を調整するために、創造的催眠は非常に有効です。

 

家族との催眠体験

 

私の子供が小さかった頃、直接暗示や年齢退行の練習として、幻の苺を食べさせるといった楽しい催眠セッションを行ったこともあります。しかし、臨床の現場では直接暗示を用いることはほとんどありません。代わりに、依存状態を避けるために、自我強化を含めた後催眠暗示を多く用いるようにしています。

 

コロナ禍と催眠

 

2021年、久しぶりにZoomによる催眠講習会に参加しました。コロナ禍が始まってから、臨床催眠にかける時間が減少していましたが、この講習会を通じて改めて催眠の楽しさを再確認しました。しかし、現実にはコロナワクチン接種やコロナ診療に時間をとられ、催眠を実践する機会が少なくなっているのが現状です。

 

結論

 

催眠は、私にとって重要な治療手段であり、クライアントの心身の健康を支える大切なツールです。今後も時間を見つけて臨床催眠の技術を磨き、クライアントに寄り添った治療を提供していきたいと考えています。

 

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