腎臓の加齢変化とCKD(慢性腎臓病)のリスク

 

腎臓の加齢変化とCKDの発症リスク

 

腎臓は、加齢に伴って構造的・機能的な変化が起こりやすい臓器の一つです。この変化は腎機能の自然な低下を招き、慢性腎臓病(CKD)のリスクを高めます。

 

加齢による腎臓の変化

1. 糸球体濾過量(GFR)の低下

腎臓の血流量が減少し、糸球体数が減少することで、加齢とともにGFRが低下します。これにより腎臓の老化が進行し、CKDのリスクが高まります。

2. 腎臓の線維化

腎間質での線維化が進行し、腎実質の量が減少。これは腎臓の修復メカニズムが正常に機能しない結果として起こります。

3. 高血圧や動脈硬化

腎臓の血管が硬化し、血流が不足することによって、腎機能がさらに低下します。

 

高齢者に多いCKDのリスク因子

高血圧や糖尿病など、生活習慣病との関連。

高リン血症や炎症が腎臓に負荷を与え、腎間質の線維化を進行させる。

「クロトー」という腎臓で発現する「抗老化タンパク」の発現低下も加齢とCKDの重要な因子です。

 

まとめ:腎機能を守るために

 

加齢による腎機能低下を完全に止めることは難しいですが、高血圧や糖尿病などのリスク管理や生活習慣の改善で、CKDの予防や進行抑制が可能です。次回は「腎間質線維化」のメカニズムと治療について詳しく掘り下げます。