肥満症とゼップバウンド治療|菊池クリニック

菊池クリニック|自由診療

ゼップバウンドによる肥満症治療

肥満症は、単に体重が多いことではありません。肥満に伴う健康障害や内臓脂肪の蓄積があり、医学的な減量が必要な状態です。

当院では、体重だけでなく、血圧・血糖・脂質・睡眠などを総合的に評価します。食事・運動療法で十分な改善が得られない方に対し、国内の承認条件と安全性を確認して薬物療法を検討します。美容目的の処方は行いません。

1.肥満と肥満症の違い

肥満

日本では、BMI 25以上が肥満の目安です。BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求めます。

肥満症

BMI 25以上で、肥満に起因・関連する健康障害がある、または内臓脂肪型肥満が確認されるなど、減量を要する病気です。

※「肥満症と診断されること」と「ゼップバウンドの処方条件を満たすこと」は別です。

2.肥満症の診断に必要な11の健康障害

日本肥満学会の診療指針では、肥満に関連する次の11の健康障害を確認します。

① 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
② 脂質異常症
③ 高血圧
④ 高尿酸血症・痛風
⑤ 冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症など)
⑥ 脳梗塞・一過性脳虚血発作
⑦ 脂肪性肝疾患
⑧ 月経異常・女性不妊
⑨ 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
⑩ 運動器疾患(変形性関節症・変形性脊椎症など)
⑪ 肥満関連腎臓病

※各健康障害について医学的に診断し、肥満との関連を評価します。

3.内臓脂肪型肥満とは?

内臓脂肪は、お腹の中の臓器の周囲にたまる脂肪です。過剰な蓄積は血糖・血圧・脂質異常などと関連するため、体重だけでなく脂肪の分布にも注目します。

評価の目安

  • 腹部CTでの内臓脂肪面積100cm²以上が診断上の指標です。
  • 腹囲:男性85cm以上・女性90cm以上は内臓脂肪蓄積を疑うためのスクリーニングの目安です。

腹囲のみで内臓脂肪型肥満症の確定診断はできません。また、腹囲が目安未満でも、健康障害を伴えば肥満症に該当する場合があります。

4.なぜゼップバウンドを検討するのか

ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)は、GIPとGLP-1の受容体に作用する週1回の注射薬です。食欲や満腹感などに働きかけ、医学的な減量を助けます。

減量は体重の数字を減らすだけでなく、肥満に関連する健康障害の改善につなげることが目的です。ただし、全員に効果があるわけではなく、食事・運動療法の継続が基本です。

ゼップバウンドは肥満症の方すべてが対象になる薬ではありません。

肥満症に対する承認条件は、高血圧・脂質異常症・耐糖能障害(2型糖尿病、耐糖能異常等)のいずれかがあり、食事療法・運動療法で十分な効果が得られず、BMI 27以上かつ肥満関連健康障害が2つ以上、またはBMI 35以上に該当する方です。耐糖能異常のみの場合は、追加の適正使用条件も確認します。

5.保険診療ができる施設と当院との違い

ゼップバウンドの肥満症治療は、患者さんの条件に加え、医療機関の施設要件などを満たす場合、保険診療で受けられる施設もあります。

当院は保険診療に必要な施設要件を満たしていません。

したがって当院での治療は、国内承認された肥満症の適応範囲であっても自由診療(全額自己負担)です。保険診療をご希望の方は、対応する医療機関への紹介をご相談ください。

6.4週間分の治療料金(税込)

薬剤費・再診料・処方管理費などを含む4本分の合計料金です。

用量 本数 4週間分の料金(税込)
2.5mg 4本 24,000円
5.0mg 4本 38,000円
7.5mg 4本 52,000円

上記に含まれる再診料・処方管理費を重複して請求することはありません。初回評価や必要に応じた追加検査などの費用は、診察時に内容と金額をご案内します。表示以外の用量・料金は個別に確認します。

7.治療の進め方

  1. 初回評価:BMI、腹囲、健康障害、既往歴、服用薬、これまでの食事・運動療法を確認します。
  2. 適応の判断:必要な診察・検査で処方条件と安全性を確認します。
  3. 治療開始:通常2.5mgを週1回から開始し、医師の判断で段階的に用量調整します。自己注射の方法を説明します。
  4. 定期的な確認:体重、血糖、血圧、脂質、食事量、副作用などを確認し、効果不十分なら中止も検討します。

2.5mgは開始用量です。増量・中止を自己判断せず、医師の指示に従ってください。

8.副作用と注意事項

吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの胃腸症状がみられることがあります。急性膵炎、胆のう・胆道系の障害、脱水による腎機能障害、低血糖(特に一部の糖尿病薬との併用時)などにも注意が必要です。妊娠中・授乳中など使用できない場合があります。

持続する強い腹痛、繰り返す嘔吐、脱水症状などがある場合は、速やかに医療機関にご相談ください。治療をやめた後には体重が再増加する可能性もあり、生活習慣の継続が重要です。

9.マンジャロとゼップバウンドの基本的な違い

マンジャロとゼップバウンドは、有効成分が同じ「チルゼパチド」です。ただしマンジャロは日本では2型糖尿病の治療薬として承認されています。当院では肥満症の治療に、肥満症として承認されたゼップバウンドを使用します。

10.2型糖尿病の方は保険診療を利用できる場合があります

2型糖尿病の治療としてチルゼパチドが必要な場合は、糖尿病治療薬「マンジャロ」を保険診療で使用できることがあります。マンジャロとゼップバウンドは有効成分が同じですが、承認された効能・効果と保険上の取扱いが異なります。

マンジャロ

2型糖尿病の治療薬として承認されています。血糖管理のために医学的に必要と判断された場合、保険診療での処方を検討できます。

ゼップバウンド

肥満症などの治療薬として承認されています。肥満症に対する保険診療には患者さんの条件に加え、医療機関の施設要件などがあります。当院はその施設要件を満たさないため、肥満症治療は自由診療です。

糖尿病があるだけで、マンジャロを必ず保険処方できるわけではありません。

糖尿病の状態、これまでの治療、血糖管理上の必要性、禁忌・安全性を踏まえて判断します。減量だけを目的にマンジャロを糖尿病治療として保険処方することはできません。

なお、2型糖尿病と肥満症の両方がある場合でも、治療目的によって薬剤選択と保険上の取扱いが異なります。診察時にご相談ください。

ご相談・お問い合わせ

菊池クリニック

肥満症治療をご希望の方は、事前にお電話でご相談ください。

0280-57-2510

参考:日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」、厚生労働省「チルゼパチド製剤の使用にあたっての留意事項」(2026年5月18日)。本案内は概要です。処方の可否は診察で判断します。