菊池クリニック|肥満症治療について
ゼップバウンドによる肥満症治療は、保険診療で受けられますか?
一定の患者さんの条件と医療機関の施設要件の両方を満たす場合、ゼップバウンドによる肥満症治療を保険診療で受けられる医療機関があります。ただし、肥満症と診断された方が全員、保険診療でこの薬を使用できるわけではありません。
1.患者さん側の主な条件
- 高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがあること
- 食事療法・運動療法を行っても十分な改善が得られていないこと
- BMI 27以上で肥満関連健康障害が2つ以上ある、またはBMI 35以上であること
- 治療計画に基づく生活習慣療法や栄養指導を受け、定期的な診察・評価を継続できること
「国内承認の適応」と「保険給付の対象」は異なります。2026年5月に承認上は耐糖能異常なども対象に加わりましたが、肥満症に対する保険給付は、現行の通知では高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがある場合に限られます。
2.治療開始までに必要なこと
保険診療では、処方を行う施設で治療計画を立て、原則として6か月以上の食事療法・運動療法を行い、管理栄養士による定期的な栄養指導などを受けても、十分な効果が得られないことを確認します。
また、対象となる高血圧・脂質異常症・2型糖尿病について、必要な治療が適切に行われていることなども確認します。したがって、BMIが高くても初診当日に直ちに保険で処方できるわけではありません。
3.医療機関側にも施設要件があります
| 項目 | 主な施設要件 |
|---|---|
| 診療体制 | 内科・糖尿病内科・内分泌内科・代謝内科・循環器内科などを標榜する保険医療機関 |
| 専門医 | 所定の診療経験を持つ日本糖尿病学会・日本内分泌学会・日本循環器学会の対象専門医が常勤する体制 |
| 教育研修施設 | 指定された学会の教育研修施設として認定されていること |
| 栄養指導 | 常勤の管理栄養士による適切な栄養指導体制と記録 |
| 安全管理 | 医薬品情報管理、副作用への対応、専門医療機関との連携体制 |
4.治療開始後にも管理が必要です
- 体重・血糖・血圧・脂質などを定期的に評価します。
- 管理栄養士の栄養指導を継続します。
- 改善が不十分な場合は中止を含めて判断します。
- 肥満症に対する保険診療では、72週間以内に投与を終了する治療計画が必要です。
具体的な診察・指導頻度、再投与条件、診療報酬明細書への記載事項には詳細な規定があります。実際の処方可否は対応する医療機関で判断されます。
5.菊池クリニックでは自由診療となります
当院は、ゼップバウンドを肥満症に対して保険診療で処方するための施設要件を満たしていません。
このため、当院でゼップバウンドによる肥満症治療を行う場合は、国内承認の適応条件を確認したうえで、自由診療(全額自己負担)となります。
保険診療での治療をご希望の方には、施設要件を満たす医療機関への紹介についてご相談いただけます。
6.2型糖尿病の治療との違い
ゼップバウンドと同じ有効成分(チルゼパチド)を含む「マンジャロ」は、2型糖尿病の治療薬です。血糖管理のため医学的に必要と判断される場合、糖尿病治療として保険診療で使用できることがあります。ただし、糖尿病があるという理由だけで自動的に処方できるものではなく、減量だけを目的に糖尿病治療として保険処方することはできません。
診療についてのご相談:0280-57-2510
参考:厚生労働省(2026年5月18日・効能変更の留意事項) / 肥満症における施設要件 / 肥満症における投与・保険上の留意事項。本ページは肥満症に対するゼップバウンドの保険診療を説明したものです。別の効能・効果(閉塞性睡眠時無呼吸症候群など)には別の条件があります。
