アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬
例:テルミサルタン、オルメサルタン、アジルサルタン血管を収縮させるホルモン「アンジオテンシンⅡ」の作用を抑えて血圧を下げます。特にアルブミン尿・蛋白尿を伴う慢性腎臓病や、一部の心不全などで重要な選択肢です。
注意点:血液中のカリウム上昇、腎機能の変化、血圧低下など。妊娠中は使用できません。
血圧だけを診るのではなく、血管を診る。生活を診る。そして、将来の健康を守る。
高血圧は自覚症状が少なくても、長い年月をかけて脳・心臓・腎臓・血管に負担をかけます。当院では、日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」を基本とし、患者さんの生活背景や合併症も考えながら、一人ひとりに合った管理を目指します。
JSH2025の原則的な降圧目標です。高齢者でフレイルがある場合、立ちくらみや副作用が生じる場合などは、安全性や生活機能を考慮して個別に調整します。ご自身の判断で薬を変更・中止しないでください。
朝・晩の家庭血圧を参考に、診察室ではわからない早朝高血圧、白衣高血圧、仮面高血圧などにも注意します。
血圧脈波検査(CAVI・ABI)、心電図、血液・尿検査などを活用し、動脈硬化の指標や心臓・腎臓への影響を調べます。
食塩摂取量は原則1日6g未満を目標に、食事、運動、体重、飲酒などを見直します。無理なく続けられる方法を考えます。
睡眠不足やストレス、緊張などによる血圧変動にも注目。必要に応じて呼吸法やリラクゼーションを生活改善の補助として提案します。
ARB、Ca拮抗薬などの標準的な降圧薬を中心に、必要な場合にはARNIなども検討し、合併症と安全性を踏まえて選択します。
脳卒中、心筋梗塞、心不全、慢性腎臓病などのリスクを減らし、認知機能を含む長期的な健康にも目を向けます。
家庭血圧の測定方法、薬の必要性、副作用、生活習慣について説明し、納得して続けられる治療を大切にします。
降圧薬は、どれも同じ仕組みで血圧を下げるわけではありません。血圧の高さだけでなく、腎機能、尿蛋白、心不全の有無、年齢、副作用などを考慮して選択します。
血管を収縮させるホルモン「アンジオテンシンⅡ」の作用を抑えて血圧を下げます。特にアルブミン尿・蛋白尿を伴う慢性腎臓病や、一部の心不全などで重要な選択肢です。
注意点:血液中のカリウム上昇、腎機能の変化、血圧低下など。妊娠中は使用できません。
ARBの作用に加え、血管を広げたり、ナトリウム排泄を促したりする「ナトリウム利尿ペプチド」の働きを高めます。従来の治療で降圧が不十分な高血圧などで検討する薬です。心不全の治療にも用いられますが、適応や使い方は病態で異なります。
注意点:過度の血圧低下、腎機能変化、高カリウム血症、血管性浮腫など。高血圧では原則として最初の1剤には用いません。ACE阻害薬との併用はできず、切替時には36時間以上の間隔が必要です。ARBとの重複投与も避けます。
主に血管の筋肉にカルシウムが入るのを抑え、動脈を広げることで血圧を下げます。長時間作用型の薬は安定した降圧が期待でき、高齢者や収縮期血圧が高い方にも広く用いられます。
注意点:足のむくみ、顔のほてり、頭痛、歯肉肥厚など。種類によって心拍数や心臓への作用も異なります。
| 薬の種類 | 主な作用 | 選択時に重視すること | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| ARB | アンジオテンシンⅡの働きを抑える | 尿蛋白・アルブミン尿、腎疾患、心不全の病態など | 高K血症、腎機能変化、妊娠中禁忌 |
| ARNI | ARB作用+ナトリウム利尿ペプチド作用の増強 | 通常の治療で降圧不十分な場合、心不全の適応など | 低血圧、高K血症、腎機能変化、血管性浮腫、併用制限 |
| Ca拮抗薬 | 血管平滑筋を緩めて動脈を拡張 | 安定した降圧、収縮期高血圧など | 浮腫、ほてり、頭痛など |
薬の優劣は一律には決まりません。ARBとARNIを単純に「新しい方が優れている」と比較することはできません。また、漢方や呼吸法は標準的な降圧治療に代わるものではなく、必要に応じた補助的な対応です。