風邪・インフルエンザに対する漢方診療|菊池クリニック
菊池クリニック|内科・小児科・漢方診療

風邪・インフルエンザに対する漢方診療

同じ風邪でも、症状や体力、病気の経過によって治療の考え方は異なります。

風邪やインフルエンザでは、寒気が強い方、汗をかいている方、喉の痛みが目立つ方、咳が長引く方など、症状はさまざまです。漢方医学では、このような症状の組み合わせや体質・体力を踏まえた「証(しょう)」を参考に処方を考えます。

当院では、感染症としての医学的評価を基本とし、必要に応じて西洋医学の治療と漢方治療を組み合わせます。

当院の漢方診療の7つの特徴

01

発症初期の症状を詳しく診ます

寒気、熱感、自然に汗をかいているか、頭痛、関節痛、喉の痛みなどを確認します。同じ発熱でも症状の組み合わせにより漢方薬の選択は異なります。

02

体力や年齢に配慮します

成人、高齢者、小児では体力や薬への反応が違います。持病、服用薬、年齢・体重なども考慮し、無理のない治療を選択します。

03

病気の経過に応じて見直します

初期の寒気・発熱から、咳・痰が中心となる時期、回復期の食欲低下・倦怠感まで、症状の変化を確認します。処方を漫然と継続しません。

04

標準的な感染症治療を優先します

インフルエンザでは年齢、基礎疾患、発症からの時間などから抗ウイルス薬の適応を判断します。漢方薬は必要な抗ウイルス治療の代わりにはなりません。

05

肺炎や重症化の兆候を見逃しません

呼吸の状態、脱水、全身状態などに注意し、必要な検査や紹介を検討します。発熱が続く、いったん改善して再び悪くなる場合も再評価します。

06

漢方薬の副作用にも注意します

麻黄を含む処方では動悸・血圧上昇など、甘草を含む処方では低カリウム血症・むくみなどに注意します。複数の漢方薬や市販薬の重複にも配慮します。

07

解熱後の症状にも対応します

咳、食欲不振、だるさが長引く場合には、感染後の経過を確認し、喘息や肺炎など別の病気がないかも考えます。必要に応じて症状に合う治療を選びます。

代表的な漢方薬の使い分け

以下は症状に応じた処方選択の一例です。病名や症状だけで自己判断して飲むことを勧めるものではありません。

漢方薬漢方医学的に考慮する状態の例
葛根湯風邪の初期で、寒気、頭痛、首・肩のこわばりがあり、自然発汗が少ない場合
麻黄湯比較的体力があり、強い寒気、発熱、関節痛があり、自然発汗が少ない場合
桂枝湯体力が比較的低下し、発汗傾向を伴う風邪の初期
麻黄附子細辛湯体力低下があり、強い冷えや悪寒が目立つ場合
小青竜湯水のような鼻水やくしゃみなどが中心の場合
麦門冬湯痰が少なく、乾いた咳が続く場合
補中益気湯回復期などに食欲低下や倦怠感が続き、処方が適すると判断される場合

上記は伝統的な処方選択を説明したもので、いずれもインフルエンザの重症化を防ぐ効果が確立したという意味ではありません。国内承認の効能・効果、禁忌・注意事項、個々の患者さんの状態に従って判断します。

安心して治療を受けていただくために

漢方薬は「自然由来だから必ず安全」というわけではありません。

高血圧、心臓病、腎臓病、妊娠中などの場合には、特に薬の選択に注意が必要です。市販の風邪薬、漢方薬、サプリメントを使用している方は診察時にお知らせください。

インフルエンザでは、重症化リスクのある患者さんを含め、抗ウイルス薬を使用するかどうかを適切に判断します。一般的なウイルス性の風邪に抗菌薬は通常有効ではありません。

強い息苦しさ、意識の異常、激しい胸痛などがある場合は、通常の外来予約を待たず、119番への通報など緊急対応をしてください。

受診のご案内

発熱や咳などの症状がある方は、来院前にお電話でご相談ください。症状や感染状況に応じた受診方法をご案内します。

  • 症状が始まった日や、体温の経過がわかるメモがあればお持ちください。
  • お薬手帳や、現在使用している市販薬・漢方薬の情報をお知らせください。
  • 小児の診療では、年齢や体重などを確認します。

検査・処方の必要性は診察時に判断します。漢方薬はすべての方に処方するものではありません。

当院が目指す漢方診療

風邪やインフルエンザでは、病名だけで薬を決めるのではなく、患者さんの状態を丁寧に評価することが大切です。

病名だけでなく、症状を診る。
症状だけでなく、体質と病気の経過を診る。
そして、西洋医学と漢方医学を生かし、一人ひとりに適した治療を目指す。

それが、菊池クリニックの風邪・インフルエンザに対する漢方診療の基本的な考え方です。