日本人男性の年齢层别テストステロン基准値について
テストステロンは男性の健康と活力を支える重要なホルモンであり、そのレベルは年齢とともに変化します。ここでは、日本人男性における総テストステロンと遊離テストステロンの基準値について、年齢層別に詳しく見ていきます。
総テストステロンの基準値
総テストステロン値は、年齢による影響が小さいため、20歳から77歳の健常な日本人男性1,143名を対象にした結果として、2.01~7.50 ng/mL(201~750 x100 ng/dL)の範囲で設定されています。このデータは、年齢層ごとに分けることなく一括して算出されています。
遊離テストステロンの基準値
一方、遊離テストステロンの基準値は加齢の影響を強く受けるため、10歳ごとの年齢層別に設定されています。具体的には以下の通りです:
20歳代:8.5~27.9 pg/mL
30歳代:7.6~23.1 pg/mL
40歳代:7.7~21.6 pg/mL
50歳代:6.9~18.4 pg/mL
60歳代:5.4~16.7 pg/mL
70歳以上:4.5~13.8 pg/mL
これらの基準値は、年齢が進むにつれて遊離テストステロン値が低下する傾向を示しています。
グラフによる視覚化
以下のグラフは、年齢層別の総テストステロン(x100 ng/dL)と遊離テストステロン(pg/mL)の基準値を示しています。このグラフを見ると、総テストステロンの範囲は年齢による変動が少ない一方で、遊離テストステロンは年齢が進むにつれて明らかに減少していることが分かります。
診断基準の変遷
従来、日本人男性の場合には、加齢による総テストステロンの変化が少ないために、診断には主に遊離テストステロンが用いられていました。しかし、日本と欧米では遊離テストステロンの測定方法が異なるため、論文などでしばしば齟齬が生まれることがありました。
このため、新しい診断基準では、国際比較を行うために総テストステロン値の測定を優先することが勧められるようになりました。
まとめ
テストステロンは男性の健康にとって重要なホルモンです。総テストステロンの基準値は年齢による変動が小さいものの、遊離テストステロンは加齢とともに減少します。これらの基準値は、健康管理やホルモン補充療法の参考として非常に有用です。詳細なデータやさらなる情報については、以下の論文を参照してください:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjurol1989/95/6/95_6_751/_article/-char/ja
日本人成人男子の総テストステロン、遊離テストステロンの基準値の設定
この研究は、日本人男性の健康管理におけるテストステロンの重要性を再確認するための基礎となるものです。